特集 全国助産婦学生研究
—京都大学医学部付属助産婦学校—分娩時の経時的な尿変化について
飯田 多恵子
,
石丸 ユキ子
,
大井 文代
,
大橋 淳子
,
大西 耀子
,
佐藤 百合子
,
中沢 幸子
,
中島 昭子
,
森 和代
pp.63-70
発行日 1967年5月1日
Published Date 1967/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203398
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はじめに
分娩および産褥期間を通じて留意すべき事項の一つに尿の貯留があり,これが分娩遷延,あるいは子宮復故不全など,種々の障害となりうることは,少なくとも分娩介助にたずさわるものならば既に周知の事実であろう.一方,分娩時においては子宮筋の収縮をはじめ,全身の筋労作,心臓循環器系の酷使,精神的な緊張などのため,体内代謝は非分娩時と大いに異なっていることが予想され,その影響がなんらかの尿所見の変化としてあらわれることが十分考えられる.そこで私たちは分娩中の経時的な尿量およびそれに関係した事項について若干の実験的検査を行なってみた.
すなわち,私たちは京大産科に入院,分娩を行なった産婦のうち,初産婦20例,経産婦20例について,子宮に全開大までは6時間ごとに,以後全開時,児娩出直後,胎盤娩出直後,および産褥2,8,14,20時間目に厳密な導尿操作のもとに採尿し,それぞれについて尿量,比重,pH,蛋白,糖,ウロビリノーゲン,色調などをしらべ,さらにそれらに影響を及ぼすと考えられる室温と湿度,水分摂取量,発汗程度,陣痛の強弱などの項目についても検討してみた.
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