分娩体験記
二度とも陣痛微弱で早期破水
板谷 鈴枝
1
1都立母子保健院
pp.42-43
発行日 1967年7月1日
Published Date 1967/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203427
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22歳で親の反対をおして上京し,勤務数カ月で病に倒れ全治までに約3年間を要し,人並みに結婚出産を経験することは不可能とあきらめていました.32歳で結婚,やはり子供を産まなければと思い健康診断を受けました.内科的には全く異常なしと太鼓判をおされほっとしました.その後6カ月後に悪阻が始まり予定日は39年11月25日とのことでした.最初に産科の門をくぐるのは非常に勇気のいることでした.「おめでとうございます」といわれるまでは心配でしたが,ついに顔をほころばせて深々と頭を下げて自然にありがとうございましたということができました.嗜好も変わり,大好きなお茶,みかんを全く受けつけなくなり,出産まで吐気がつづきましたが,その他はこれといった異常もなく勤務も引き続きできました.ただ一すじに無事お産をすませることのみ祈りながら一生懸命頑張り産前の休暇に入るまで休むこともありませんでした.出産の用意は9カ月に入ってから夢中で誰の手をかりることもなくととのえました.
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