明日への展開--ヒューマンバイオロジーの視点から 子宮
Ⅰ.体部頸部
子宮収縮の臨床
微弱陣痛
石原 楷輔
1
,
菊池 三郎
1
Kaisuke Ishihara
1
,
Saburo Kikuchi
1
1日本医科大学第二病院産婦人科
pp.447-449
発行日 1984年5月10日
Published Date 1984/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207003
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現在,陣痛の強さの表現法は,日産婦用語問題委員会により「陣痛の強さは,子宮内圧によって表現する」(表1)と結論され,更に付記として「子宮内圧のかわりに,臨床的には陣痛周期と陣痛発作持続時間とをもって表現することも認められる。」(表2)とされている。微弱陣痛には,分娩開始時より陣痛の弱い原発性微弱陣痛と,分娩経過中に陣痛が微弱になり分娩遅延をきたす続発性微弱陣痛がある。微弱陣痛の対策としては,その原因を究明して(表3),微弱陣痛の改善により経腟分娩が可能と判断された場合にのみ,陣痛促進が行われることを原則とする。一般に,分娩経過には,Friedman曲線に示される如く,一定の進行パターンがあり,これが明らかに陣痛微弱により停滞,遅延したと診断された場合に,積極的に陣痛促進を行っている。陣痛促進法には,oxytocin, PGの薬物療法とブジー,メトロイリンテル,コルポイリンテル,人工破膜の機械的刺激法があるが,本稿では薬物療法(Oxytocin, PG)について述べる。
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