増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
産科編
IX 分娩処置・異常分娩
分娩誘発/微弱陣痛/過強陣痛
渋谷 祐介
1
,
斎藤 昌利
1
,
杉山 隆
1
1東北大学医学部産婦人科
pp.326-329
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103753
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疾患の概要
分娩とは本来生理的な現象であるが,安全な分娩を遂行するうえで重要なことは自然経過を観察するだけではなく,適切な介入を図ることである.そのため分娩の進行状況によっては,陣痛促進を考慮する.分娩誘発の適応は多岐にわたり,微弱陣痛による遷延分娩や妊娠高血圧症候群などの母体適応,過期妊娠,子宮内胎児発育遅延,子宮内胎児死亡といった胎児適応,自宅から医療機関までのアクセスが悪いなどの非医学的な社会的適応がある.日常臨床でよく遭遇するものは,前期破水など母児ともに感染のリスクがある場合や,母体合併症などで管理体制の整った日中に分娩に至ることが望ましい場合など,複合的な理由で分娩誘発が行われる.
陣痛の強さは子宮内圧で表現されるが,日常臨床においては非侵襲的な外測法による陣痛周期や発作持続時間で判断される.微弱陣痛,過強陣痛の定義は以下の基準で判定される(表1,2).
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