らいぶらりい
—獅子文六著—娘と私
杉浦 衛
pp.46-47
発行日 1966年12月1日
Published Date 1966/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203315
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実のところ,獅子文六氏の作品ほど解説するのにむずかしい作品はありません.どのページを開いて読みかえしてみても,不思議な魅力にとらわれて読みふけってしまうのです.そしてつかみどころを失なってとまどってしまうのです.
「娘と私」も例外ではありません.この魅力はどこからくるのでしょうか.とにかく,書評など必要でないほどこの小説は有名であり,作者自ら親切な跋文があるのに,これ以上の解説がどうして必要なのでしょうか.といってみても書き始めた以上,みなさんに,なにか「解説」のようなものを書かねばなりません.そこで,わたしなりに感じたことを思うままに書いてみましょう.
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