連載 精神科医の家族論・6
父親と娘―私の場合
服部 祥子
pp.794-797
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688101431
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後からきた父親との交わり
この原稿を書いている数日前に父が逝った。1905(明治38)年生まれ。103歳の旅立ちであった。
身体のどこにも特別の病気がなかったが,ここ1,2か月の間次第に食事量が減じ,2,3週間前からは水以外はほとんど口から何も摂取せず,入院先の病院でリンゲルを点滴してもらっていた。しかし意識は清明で,亡くなる前日の夜,顔を近付けて呼びかけると,ゆっくり眼を開き,私の顔をじっと見つめた。
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