インターホン
現場で考えること
大島 アサ子
1
1東大産婦人科
pp.45
発行日 1965年8月1日
Published Date 1965/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203025
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今年の助産婦会総会でも助産婦の不足をめぐって討議されましたが,単に助産婦ばかりではなく,看護婦にも同じことがいえると思います.卒業生の就職希望者がなぜ少ないのか,ここで皆様といっしょに考えてみたいと思います.
同じ看護職の中に働く私たち助産婦の活動分野は,きわめて多忙であり,かつまた同時に2人の生命をあづかる重い責任をもたされた仕事であることはいうまでもありません.施設に勤務する私たちにとって産科は夜勤の多いことに加えてとくに忙しい科の一つであろうと思います.入院数30名ならば新生児を含めて60名という現実,大人より手のかかる新生児が入院ベッド数に数えられていない不合理さ,そこから生れる他科とはちがった労働強化,助産業務をしているのに看護婦の職種に限定されている不合理な点など,その原因はたくさんあると思います.また産科の特殊性の中で,人員不足と,夜勤につぐ夜勤と労働強化され,自分の健康さえ維持しきれない状態の中で働いている私たちです.このような現状の今,医療合理化6か年計画の6年目を迎えています.ちょっと見まわしてもわかるように国立病院の独立採算制や,医療費値上げ,健保改正(悪)?などが目につきます.全く,医療のもうけ主義への積極的推進以外の何ものでもないと思います.患者さんや私たち働く人のための整備ではないことはあきらかだと思います.
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