癒しの環境
医療現場のアート—その基本を考える
杉村 荘吉
1
1パブリックアート研究所
pp.720
発行日 2000年8月1日
Published Date 2000/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903072
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美術館やギャラリーに属する巨匠たちの彫刻作品が,様々な人々が行き交う街角に進出して,一般市民に質の高いアートを鑑賞する場を与えるパブリックアート事業が世界中で始まって40年.街角とアートとの関係は,公共空間におけるアートの意味性と役割についての正解を求めて迷路をさまよう歴史でした.
日本を含む各国が行ってきたパブリックアート事業の目的は,①一般市民の身近なところで芸術鑑賞の機会を与える,②地域の文化芸術の振興を図る,③街角景観の向上を図るなどに集約されます.一方「アート」は,もともと「私的」な技術に属する特性を持つことに加えて,この100年来アートの活動が,「個人の自由」意識と強く結びついて,私的意図で制作したアートを私的趣向で鑑賞するという構図で行われてきた結果,一般社会から遊離した別世界の活動となってしまったといえそうです.
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