特集 褥室・新生児室における助産婦の業務
分娩から退院まで母子別室制の場合
東大病院
褥室における助産婦の業務分析
大島 アサ子
1
1東大医学部付属病院産婦人科
pp.10-15
発行日 1965年12月1日
Published Date 1965/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203087
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はじめに
近年とみに施設内分娩,特に総合病院の産科における分娩が急増してきた.これはとりもなおさず母子保健の重要性が認識されてきた結果のあらわれであるといえよう.母子保健は瞬間的な分娩時だけではなく,妊娠中から産褥期までの期間を通して行なわれるもので,その主力は分娩に注がれるとしても,その前後の管理の比重はけっして軽いものではない.元気な産声に母親としての歓喜,育児への責任感にみちあふれ,施設への信頼と期待をよせている褥婦を目にするたび,国民の健康を守る医療の中で働いている私たちは大きな責任と義務を痛感するものであります.
入院中はその健康管理を施設側が担当するが,退院後は褥婦自らが主として母子2名の健康を管理しなければならない.褥室勤務の助産婦は,その必須業務として入院中の健康管理および退院後の健康的な産褥期の過し方と,正しい育児についての基本的な知識ならびに技術を褥婦をして習得させなければならない.また褥婦は母子2名の健康を管理するという積極的な意欲と強い自覚を持たなければならない責任が課せられていると思う.それが,ひいては母子衛生向上発展となり,国民保健の基盤につながるものである.
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