レポート
教育現場から命を考える—企画展示「世界から『命の誕生』を考える」と講義「周産期の現場から命を考える」を行いました
神前 裕子
1
1聖心女子大学現代教養学部心理学科
pp.278-282
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665202154
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妊娠・出産に関わる情報は全ての人に必要なもの
大学教育の中で,妊娠・出産などについての講義は,産婦人科医や助産師などの専門家になる学生を対象としたものが一般的であると思います。しかし,妊娠や出産に関する知識・情報は,子どもを産む・産まないにかかわらず,男女にかかわらず,全ての人が知りたい,知っておきたいことではないでしょうか。
私は,臨床心理士として産婦人科や新生児科で働き,妊婦さんや赤ちゃん,産後のママやパパ,きょうだいなど多くの人に出会ってきました。命の誕生にはたくさんの奇跡と医療者や家族のサポート,安心できる環境や制度,そして情報が必要だろうと思われます。しかし,多くの人は妊娠や出産についてあまり知らないまま,その時を迎えているように思います。もちろん小学校から高等学校までの保健体育や家庭科の教育において,生命の誕生についての内容は含まれています。しかし,より踏み込んだ,妊娠や出産のプロセス,出産方法,出生前検査,どのようなサポートがあるのかなどの情報が必要なのではないかと考えました。
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