現代のカルテ
ケネディ暗殺の謎
野口 肇
pp.48
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202780
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去年の11月22日,アメリカ南部テキサス州のダラス市で,故ケネディ大統領が暴漢のために暗殺されたのはご承知のとおり.犯人はリー・オズワルドという青年で,故大統領のオープン・カーの曲り角だった州教科書倉庫の6階にいた.犯人はいちど下宿にかえり,ふたたび街へ.そこでデイビッド警官をころし,映画館のテキサス劇場でタイホされた.暗殺時刻からちょうど1時間半後だった.その3日あと,警察署から未決監にはこばれる直前,この24歳のソ連帰りの素性不明な青年は,ストリップ劇場を経営する名うての暴力ボスであるジヤックルビーという男に消された.そして,故ケネディ大統領暗殺事件は,迷宮いりになった.ルビー親分は「愛国者」「故大統領の崇拝者」として復しゅうしたのだと告白した.目下,このルビー親分は公判中である.
それがさいきん,あれこれのアメリカやフランス紙誌に疑惑をもたれている.いわれてみればいちいち怪しいことばかりだ.
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