インターホン
母性保護の充実を/この道50年
後藤 喜代子
1
1東大医学部附属助産婦学校
pp.44-45
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202778
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長い間の実務から多くの困難を予期しながら,助産婦への道を選ぶことによって,知識や技術を習得できたことは,もちろん喜びにたえませんが,それ以上に,ここ数年来私の心にあった小さな"わだかまり"が多少なりとも解けていくのを快く感じます——.
私たちが,この世の中へ"生"をうけ,育ち,生きて行くには,あまりにも多くの虚礼にも等しいことがらが後をたちません.たとえば生まれると,"お七夜""百日""お節句""お誕生"とついでは,"進学""就職""結婚"とまったく息つく余裕さえ与えないほどで,人生へのスケジュールは,まるで生糸をつぎつぎと重ねていく織物のごとくです.
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