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妊娠中毒症の外来治療 第2報
藤田 長利
1
,
藤沢 俊子
1
,
松本 澄代
1
1長崎原爆病院産婦人家科
pp.41-45
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202542
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1.まえがき
さきに,われわれは藤沢俊子他数名の助産婦名で助産婦雑誌15巻9号(36年)に,ヂュウレックス錠(エーザイ)を,外来において投与し治療した妊娠中毒症妊婦の経過について,第1報を報告した.薬物投与によって,妊娠中毒症の問題が,解決するものでないことは,いまさら言をまたない.入院治療が必要になるほど,重症に陥らしめないことが,単に未熟児の出生予防上の点からのみでなく,妊婦の家庭における重要性から考えても,緊要事であって,産科にたずさわるわれわれの責任であるとも思う."足がはれなければ子は生れない"という迷信が今なおある当地方においては,単に妊婦の指導のみではなく,家庭のそれもまた,実際には大切であり,しばしばその必要性を痛感するところである.
最近,サルファ剤系利尿剤の出現によって,中毒症の治療が非常に容易になったことは,事実であるが,しかし,妊婦保健指導の重要性が少なくなったものでないことは,もちろん当然である.前述したように,私は,肉体安静療法と食餌療法,および薬物療法は妊娠中毒症の三大治療方針と考える.
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