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分娩予定日超過について—主として対照例、待期例、誘発例の臨床実験的比較検討
木村 好秀
1,2
1東大産婦人科教室
2都立荒川産院
pp.46-52
発行日 1963年5月1日
Published Date 1963/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202544
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1.はじめに
妊娠末期になると妊婦最大の関心事はいつ頃分娩が開始するかということであり,特に分娩予定日が1週間も過ぎると妊婦自身はもとより家族も心配して,不安な日々を送るのが普通である.
分娩予定日超過の問題は本誌上においても度々論ぜられてきたが,自然の陣痛発来まで待つべきか,積極的に陣痛誘発を行なうべきかは未だ議論の的であり,なお一致した見解は得られていない.それはこの問題が陣痛発来機序とか胎盤機能という産科学上の大きな問題を内蔵していて,今日なお根本的な解明がなされていないからであり,さらに今後の研究に俟たねばならない.そこで従来本問題は臨床統計的に検討され,その結果母児の予後が不良になるとか,ならないとか報告されてきた.しかしこれらの統計成績は,計画性をもって調査されていない臨床成績を単に集計したものが多く,予定日超過の処置や取扱いに確実な指針を与えてくれるものが少なかった.
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