講座
赤ちやんを中心とした産科学—第11回 子宮内アノキシアとその対策(6)
伴 一郎
1
1国立京都病院産婦人科
pp.41-43
発行日 1962年8月1日
Published Date 1962/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202387
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
Ⅳ.前置胎盤および低在胎盤
前置胎盤が産科の領域で最も怖れられている所以のものは,妊娠末期ないしは分娩が始ると同時に必ず早期剥離を起こして出血し,母体には失血による危険を,児にはアノキシアによる危険を招来するからであります.低在胎盤は前置胎盤のように必ず早期剥離を起こすとは限らないが,やはり妊娠末期ないしは分娩の途中に早期剥離を起こし,母児,殊に児に危険を招来することがまれではありません.
本章では前置胎盤や低在胎盤(の早期剥離)による児の死亡を防止するにはどうすればよいかについて,私の考えを述べていこうと思います.
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.