講座
赤ちやんを中心とした産科学—第1回 われわれの理想
伴 一郎
1
1国立京都病院産婦人科
pp.27-28
発行日 1961年7月1日
Published Date 1961/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202159
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産科学では分娩のことだけではなく,受精から始って,妊娠中の生理や病理,更に産褥や新生児のことまで取扱いますが,本来は分娩の際に於ける母と児の生命と健康の保持を目標として進んで来た学問であろうと思います.分娩によつて母や児が絶対に死なないこと,分娩によつて母の体をいためたり,弱い児が生れたりすることがないようにすること,それが産科学の理想であり,目標であると思うのです.
そして多くの人々の努力によつて,現在の段階では母体が死亡したり,健康を著しく損ねたりすることは,最早や殆ど見られなくなりました.
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