講座
赤ちやんを中心とした産科学—第12回 子宮内アノキシアとその対策(7)
伴 一郎
1
1国立京都病院産婦人科
pp.24-28
発行日 1962年10月1日
Published Date 1962/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202415
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Ⅳ.前置胎盤および低在胎盤(承前)
前回私は--
前置胎盤や低在胎盤例における児の死因は,その早期剥離に基く子宮内アノキシアであることを指摘するとともに,もしも剥離・出血前に確実な診断がつき,しかもその時期も予測されるならば,その直前に帝王切開を行なうことによつて,100%児を救うことも可能であろうが,なかなかそう理想通りにはいきにくい.第一,剥離・出血前にハツキリした診断をつけることすら困難であるし,それどころか,大部分は出血が始つてからはじめて吃驚しているのが実情である.中には出血が始つていても,出血量が少いために見逃されているような場合すらある.そういうことで入院までに時間がかかり,あるいは入院後,手術準備に手間取つて,結局児を失うことになる場合が多いのだ.
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