講座
赤ちやんを中心とした産科学—第9回 子宮内アノキシアとその対策(4)
伴 一郎
1
1国立京都病院産婦人科
pp.22-26
発行日 1962年6月1日
Published Date 1962/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202349
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前章で私は子宮内アノキシアが児に及ぼす影響についてくわしく説明しましたが,その総括的な結論は——
頭蓋内出血と同様,子宮内アノキシアでもすでに事が起こつてからでは遅い.児心音が悪化したり,羊水に胎便の混入を認めたり,仮死の児が生れてきてから手を打つているようなことでは遅い.子宮内アノキシアというものはそれが起こらぬようにすることこそ大切だ.児頭が産道内深く進入してからのアノキシアならまだしも,児が未だ子宮内に在る間,ことに破水前のアノキシアについて特にそういうことがいえる.
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