今月の言葉
奇形児の出生に憶う
竹内 繁喜
pp.5
発行日 1958年12月1日
Published Date 1958/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201583
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近頃奇形児の出生が確かに多い.それも珍らしい奇形というのでなく兎唇,多指症,寡指症等である.一般に奇形児の出生頻度は,0.4〜0.9%と報告されているが,私共の産院の本年度の統計では1.0%を越えている.この原因として核実験,避妊薬等があげられているが,それにはここでふれない.
私がこの欄で皆さんと一緒に考えたいことは,奇形児が生れた場合,医師や助産婦がおかれる立場である.奇形児も非常に珍らしいもので,生存の見込みのないものは解決が至極簡単だが,先に述べたような軽い奇形で,生命に別状のないものゝ処理が特にむつかしい.
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