特集 出血
造血と食餌療法
原 実
1
1慶応大学医学部
pp.52-55
発行日 1956年5月1日
Published Date 1956/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201056
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造血成分例えば鉄,銅,蛋白,ビタミンB12,葉酸などの補給や,造血機能を有する器官例えば骨髄や肝臓などの利用によつて貧血を治療することが出来る.
鉄血液中の鉄量は成人で4.3gと云われているが,体中に貯蔵されている鉄はその大部分が次第に硫化鉄として大腸から排泄される.然しその量は僅少であるにしても尿その他の中にも排出するので1日6〜12mgの鉄を必要とする訳である.貧血患者に対してはこの数倍の鉄量の供給が必要だと云われているのは,本来鉄化合物は胃で塩化第一鉄とはなるが,腸からの吸収が頗る不良で,鉄剤中の鉄の10〜20%程度しか吸収されぬことが多い.
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