講座
乳兒の保育—乳製品による栄養
内藤 壽七郞
1
1日赤中央病院小兒科
pp.28-30
発行日 1953年8月1日
Published Date 1953/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200409
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牛乳と乳製品といずれがよいか
新鮮な牛乳,そして固形分の多いいわゆる濃厚な牛乳であれば牛乳の方がよい発育をとげるはずである.以前のいわゆる全粉乳との比較なら誰でもこれに異存はない.しかしこれは牛乳に,充分のビタミン,穀粉,鉄等を添加した場合のことである.ところで充分にこれ等のものを添加することが一般におこなわれているであろうか?しからざる場合の方が多いのである.そうなると近頃のいわゆる各種のビタミンを混入してあるものの方がよい結果を示す.また夏季では牛乳は消毒の面において問題が生じるし,また家庭における取扱い方も面倒になる.また牛乳は一全単位であるということも月令の少ない乳兒に極く少量たしたいというときにはなはだ不便であるということになる.粉乳も近頃のように牛乳の持つ缺点を補つたものである.むしろ牛乳よりもよいといいたい.ただし経済面においてはまた問題は別である.
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