講座
兒童心理(その2)—乳兒期
小林 さえ子
1
1実踐女子大学
pp.26-29
発行日 1955年2月10日
Published Date 1955/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200899
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ウィリアム・シユテルンは,かつて次のようなことをのべました.「人類の個体は,生後一カ月間は,下等感覚の優勢な乳兒で,にぶい衝動と反射作用をいとなむ一介の哺乳動物にすぎない.しかし,半年以上たてば,把握や各種の模倣がなされるようになり,最高哺乳動物すなわち猿と同じ発達の段階に達する.だが,第二年目に入り,直立して言葉を話す能力を得るまでは,人間存在とはならないのだ」と.
わたくし達は先月号で,新生兒の身体とこころの発達のあらましをのべました.今月は新生兒期を了えてから,はじめてのお誕生日を迎えるまでの赤ちやんの発達ぶりをみてゆきたいと思います.
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