講座
早産兒の保育
宮崎 叶
1
1愛育研究所小兒保健部
pp.23-27
発行日 1953年9月10日
Published Date 1953/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200590
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早産兒を文字通りに解釈すれば,必要な在胎期間が経過しないうちに生れてきたもの,即ち,分娩豫定日前に生れたものということができよう.けれども受精の日や受胎の日は客観的にきめる事は不可能であり,豫定日も最終月経をもとにして計算されている現在,在胎期間を正しく知ることはできないし,又早産兒が問題にされるのは,それが色々の機能の未熟さを示す爲であるので,医学的には生れた時の体重が2500未満のものを早産兒として扱うのが普通である.
在胎期間が充分と考えられる場合でも,未熟の徴候を示す小さい子が生れ得ることは,ふた子,三つ子,或は母に腎臓炎があつた例等に経験されるところで,妊娠の月数からだけで早産であるか否かを決めるのが不合理なことはわかろう.ところが生れた時の体重を目標にすれば,体重は測り易く,数量的に表現される上に未熟の程度を知る参考にもなり便利でもあるので,生れた時の体重は早産兒を区別する重要な基準とされているのである.
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