講座
日本助産史(1)
小柳 コト
pp.23-25
発行日 1952年1月1日
Published Date 1952/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200009
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序
終戰後,保健衞生に關するあらゆる分野の改革に伴つて,明治維新以後,わが國特有な發展ぶりを示した助産婦業務に看護教育を基礎として資格を與えられる方針が制定され業務内容が擴大された。業務の將來性として新な力と識見に目覺めなければならない時代が來たのである。過去に關する知識は現代を理解することを可能にし將來を見越すために價値を持つのである。すべての史實は決して原因なくして突發的に起るものではなく,因果の系列によって,はるか昔にまでさかのぼるものでありその始源から究められなければならない。出來ごとの原因,結果及びその影響などが明らかにされ,倫理的な人間の道も歴史の上に表現されるものである。私達の業務を次の時代にゆずるまでより良く助産史を護り育て美しい記録を残すよう努力したいと思う。
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