音樂講座
音樂史—(日本)
山本 金雄
1
1NHK合唱團
pp.48-49
発行日 1953年7月10日
Published Date 1953/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200555
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日本に於ける外来音樂の最古の記録としては,西暦紀元(以後略)453年恭允天皇の御大葬に新羅の樂人が参列して音樂を演奏致しました.それより100年程経つた544年欽明天皇15年には百済の味摩之音樂が伝つて来ており100年程経過した661年には現在のシヤム当時の度羅からやはり音樂が伝来して来ております.大寳2年有名な大寳令の中に雅樂寮の制度が決められております.同年には唐から唐の音樂五常大平樂が伝来してまいりました.日本人が外国へ留学,直接日本へ音樂,樂器を移入したのは天平7年吉備眞備で,唐から,音樂の書及び調子笛を持つて帰つて来ています。翌天平8年に印度から婆羅門僧正が声明を現在の佛印地方から林邑樂が伝つて来ました.有名な東大寺の大佛開眼には唐樂,三韓樂,日本の古樂等の大舞樂会が行われた事は当時の書物に記録されております.又大同元年には弘法大師が眞言声明を唐から,文承和14年,大佛開眼より100年程した847年には慈覚大師が中国五台山から声明を伝来して来ました.
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