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特集 医療スタッフが知っておきたい性的マイノリティと医療
性的マイノリティ当事者を取り巻く現状
-――法律,結婚,生殖医療など
The current situation surrounding sexual minorities
中塚 幹也
1
Mikiya NAKATSUKA
1
1岡山大学学術研究院保健学域,岡山大学ジェンダークリニック,GID(性同一性障害)学会理事長
キーワード:
同性パートナー
,
子なし要件
,
手術要件
,
婚姻要件
,
同性婚
,
配偶子提供
Keyword:
同性パートナー
,
子なし要件
,
手術要件
,
婚姻要件
,
同性婚
,
配偶子提供
pp.288-292
発行日 2021年10月23日
Published Date 2021/10/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27904288
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同性パートナーシップ制度を導入する自治体が増加しているが,医療施設も “同性パートナー” に手術同意書などへの署名,集中治療室(ICU)などでの面会などを認める対応が必要である.「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」により,トランスジェンダーの一部が戸籍上の性別を変更できるようになり,結婚例も増加した.しかし,子なし要件,手術要件,婚姻要件をめぐって裁判となっており,改正が求められている.欧米の生殖医学会は,性的指向や性自認により生殖医療の提供を制限すべきではないとしている.しかし,日本産科婦人科学会のガイドラインはLGBTカップルの生殖医療を想定していない.2020年に提供精子や卵子により生まれた子どもの法的地位を確定する「生殖医療民法特例法」が成立したが,LGBT当事者をその対象とするのか,リスクを伴うSNS上での精子取引などをどのように制限するのかなど,解決すべき課題がある.さらには,“差別をなくす” ためのLGBT関連法の成立が求められている.
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