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実践講座 高度肥満症患者のリハビリテーション治療・2
高度肥満症患者に対する栄養療法・栄養食事指導
Nutritional therapy and nutritional diet guidance for patients with severe obesity
徳澤 千恵
1
Chie Tokuzawa
1
1大阪大学医学部附属病院栄養マネジメント部
1Division of Nutritional Management, Osaka University Hospital
キーワード:
高度肥満症
,
栄養療法
,
栄養食事指導
,
フォーミュラ食
Keyword:
高度肥満症
,
栄養療法
,
栄養食事指導
,
フォーミュラ食
pp.841-846
発行日 2024年8月10日
Published Date 2024/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203187
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はじめに
高度肥満症患者の多くは,長年の生活習慣や食嗜好性が主要な原因となり過体重となっている.減量に取り組むものの,リバウンドを繰り返している患者も少なくない.栄養介入にあたっては,「食事療法はわかっている」,「いつも言われることは同じ」,「もう聞きたくない」など拒否的な発言をしばしば経験する.そのため筆者は,特に初回の介入では患者のオベシティスティグマや自尊心に配慮し,これまでの減量の取り組みやそのときの気持ちを傾聴している.加えて,栄養食事指導を行い継続介入するなかで,自己肯定感を感じてもらえるような言葉がけを大切にしている.
高度肥満症の治療目的は,減量により健康障害の改善や発症リスクを減少させることである.肥満度や体組成,ウエスト周囲長などの経時的な計測をもとに評価を実施しながら,健康障害の是正をめざす.
介入初期の目標は3〜6か月で5〜10%の減量に設定し,食事・運動・行動療法を取り入れる.しかし,高度肥満症では社会的・精神的問題を伴っていることが多く,減量治療に大きな妨げとなることがある.6か月以上の内科的治療で,体重減少や健康障害の改善が得られない場合は,減量・代謝改善手術を検討する.
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