特集 肥満症・糖尿病患者に対する減量・代謝改善手術
肥満症・糖尿病患者に対する内科治療
齋木 厚人
1
1東邦大学医療センター佐倉病院糖尿病内分泌代謝センター
キーワード:
高度肥満症
,
2型糖尿病
,
薬物療法
Keyword:
高度肥満症
,
2型糖尿病
,
薬物療法
pp.413-421
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000003232
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わが国ではBMI≧35 kg / m2を高度肥満と定義し,そのうち減量を必要とするような健康障害を伴う場合に高度肥満症と診断する。高度肥満では耐糖能障害,大血管障害,腎障害などの肥満関連疾患のみならず,心不全,呼吸不全,静脈血栓,閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome;OSAS),肥満低換気症候群,運動器疾患なども合併しやすい。最近では透析導入患者で高度肥満症患者の割合が高いことが明らかとなり1),医療経済的にも治療介入が必要な疾患であるとの認識が高まっている。しかし,高度肥満症には治療抵抗性という問題がある。食事,運動,行動療法といった従来の内科治療は重要でありつつも,肥満学会が初期目標として推奨する5~10%減量(図1)に対し,その達成や維持が難しく,達成しても健康障害の改善は十分とはいえない。そのようななかで,著明な体重減少と代謝改善効果をもたらす減量・代謝改善手術の登場はセンセーショナルであった。
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