Japanese
English
特集 肥満症例に対する腹腔鏡下手術
II. 各論
2.高度肥満症患者に対する腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の手技と注意点
Surgical technique of laparoscopic sleeve gastrectomy for patients with severe obesity
佐々木 章
1
,
新田 浩幸
1
,
大塚 幸喜
1
,
木村 聡元
1
,
高原 武志
1
,
秋山 有史
1
,
岩谷 岳
1
,
肥田 圭介
1
A. Sasaki
1
,
H. Nitta
1
,
K. Otsuka
1
,
T. Kimura
1
,
T. Takahara
1
,
Y. Akiyama
1
,
T. Iwaya
1
,
K. Koeda
1
1岩手大学
キーワード:
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術
,
高度肥満症
,
糖尿病
Keyword:
腹腔鏡下スリーブ状胃切除術
,
高度肥満症
,
糖尿病
pp.215-222
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_geka81_215
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
代謝改善手術(metabolic surgery:MS)の術式の一つである腹腔鏡下スリーブ状胃切除術(laparoscopic sleeve gastrectomy:LSG)は,胃大彎側を約80%切除して胃をスリーブ(袖)状の胃管に形成する食事摂取制限手術である.皮下脂肪が厚い高度肥満症患者では,血管損傷や臓器損傷などの術中偶発症を起こさないように,腹壁の層解剖を確認しながら第1トロカールを安全に挿入することが重要である.胃切除時には,上部消化管内視鏡,または36 Frのブジーを胃内にステントとして挿入し,食道壁への噛み込み,胃管の狭窄やねじれに注意しながら,幽門輪から約5 cmの幽門前庭部大彎からHis角に向かい自動縫合器切除を行う.胃上部の切除操作では視野不良や技術的な問題で縫合不全の危険性が高くなるので,His角近傍の胃壁は余裕をもって残して胃切除を行い,最上部のステープル断端は,確実に漿膜筋層縫合で埋没すると同時に胃管径の調整を行うことがポイントとなる.
© Nankodo Co., Ltd., 2019