Japanese
English
入門講座 てんかんとリハビリテーション・1【新連載】
脳性麻痺とてんかん
Cerebral palsy and epilepsy
久保田 雅也
1
Masaya Kubota
1
1島田療育センター小児科
1Department of Pediatrics, Shimada Ryoiku Medical Center for Challenged Children
キーワード:
脳性麻痺
,
てんかん
,
重症心身障害児
,
重症心身障害者
,
睡眠障害
Keyword:
脳性麻痺
,
てんかん
,
重症心身障害児
,
重症心身障害者
,
睡眠障害
pp.43-48
発行日 2024年1月10日
Published Date 2024/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203020
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
脳性麻痺とてんかんの歴史と疫学
脳性麻痺(cerebral palsy:CP)は,医学,教育,行政用語として使われるが,1968年厚生省脳性麻痺研究班の定義「受胎から新生児期(生後4週間以内)までの間に生じた脳の非進行性病変に基づく,永続的なしかし変化しうる運動および姿勢の異常である.その症状は満2歳までに発現する.進行性疾患や一過性運動障害または将来正常化するであろうと思われる運動発達遅延は除外する」は,その概念を簡潔に表している.しかし運動と姿勢異常のみの症例は多くはなく,呼吸,嚥下,睡眠,言語(表出,理解,コミュニケーション),認知などの異常,自律神経障害(消化管機能異常など),およびてんかん発作などの多様な症状を呈する.重症度のスコア化も容易ではなく,個別の困りごとの詳細な分析が必要となる.CPとはこれらの複合した状態像を示すumbrella termである.
その発生率は,海外の先行研究では出生1,000対2前後(軽症例を含む)と報告されているが,わが国のCPの発生率に関する報告はきわめて少なく,推定精度も含めていまだ不明な点が多い1).レセプト情報・特定健診等情報データベース(National Database:NDB)を用いた全国推計では,4歳児で出生1,000対2.4程度と推計されている2).
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.