ひと
第61回日本リハビリテーション医学会学術集会会長になられた安保 雅博氏
岡本 隆嗣
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1医療法人社団朋和会 西広島リハビリテーション病院
pp.1
発行日 2024年1月10日
Published Date 2024/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203011
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私が研修医1年目の当直の夜,医局のソファーで横になっていると,後ろに人の気配を感じた.初対面の挨拶も早々に,「リハビリテーションで大事なことは何かわかるか?」と質問された.まだ右も左もわからなかった私は,「診断と的確な予後予測により……」と,それまでの数か月で見聞きした知識を絞り出して答えた.「お前違うよ.いちばん大事なのは“愛だよ,愛”」.
今も忘れられないその言葉を教えてくれたのは,スウェーデンのカロリンスカ研究所で現在の反復経頭蓋磁器刺激(rTMS)につながる基礎研究を行い,留学から帰って来たばかりの安保雅博先生だった.研究で使うラットの世話のため,休日も病院に来られていた.慈恵医大卒業後10年で講師,11年目で診療部長,17年目で主任教授,この5年で4名の他大学主任教授を輩出,などの経歴からは,華麗でパワフルなイメージがあるが,愛のある臨床・教育こそが安保先生の真骨頂だと私は思う.
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