臨床経験
イミダプリル著効し嚥下障害と咳嗽反射が改善した重度心身障害の脳性麻痺の一例
渡辺 淳志
1
1在宅総合ケアセンター成城
キーワード:
嚥下障害
,
咳嗽
,
呼吸困難
,
脳性麻痺
,
肺炎-誤嚥性
,
反射
,
Imidapril
,
重症心身障害者
Keyword:
Dyspnea
,
Cough
,
Deglutition Disorders
,
Cerebral Palsy
,
Reflex
,
Pneumonia, Aspiration
,
Imidapril
pp.275-278
発行日 2022年3月15日
Published Date 2022/3/15
DOI https://doi.org/10.32118/J02606.2022150082
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症例は34歳女性で、脳性麻痺、嚥下障害、咳嗽反射低下、喀痰排出困難を認めた。嚥下障害増悪にて大量の唾液誤嚥があるために喀痰が増大し、咳嗽反射のさらなる低下に伴う自力喀痰排出困難による呼吸障害と診断された。まず、薬物療法としてイミダプリル2.5mg/日を処方し、訪問リハビリテーション(リハ)においては週1回理学療法または作業療法にて、胸郭のストレッチ等で呼吸機能の改善を目的としたリハが行われた。また、頻回な吸引を行ってもしばしば酸素飽和度が90%を下回るため、酸素濃縮器による在宅酸素療法が開始された。イミダプリルは投与翌日から著効して喀痰が減少し、吸引回数は約60回/日に減少した。呼吸障害改善後もイミダプリルを飲み続けることで、さらに誤嚥性肺炎予防効果も期待できるため継続的に内服する方針となった。
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