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特集 リハビリテーションの医療経済学
リハビリテーションの臨床疫学研究および医療経済評価
Clinical epidemiological studies and health economic evaluation of rehabilitation
康永 秀生
1
Hideo Yasunaga
1
1東京大学大学院医学系研究科臨床疫学・経済学
1Department of Clinical Epidemiology and Health Economics, The University of Tokyo
キーワード:
臨床疫学
,
リアルワールドデータ
,
医療経済評価
Keyword:
臨床疫学
,
リアルワールドデータ
,
医療経済評価
pp.13-18
発行日 2024年1月10日
Published Date 2024/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203015
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リハビリテーションの介入効果を評価するにあたっての最大の課題は,リハビリテーションの対象集団の多くが高齢者である点である.また,リハビリテーションの費用対効果を評価するにあたっての最大の課題は,リハビリテーションに関連する費用が単にその技術への対価にとどまらず,介護者にかかる費用も無視できない点である.
リハビリテーションに限らず,あらゆる治療やケアの介入効果を評価するにあたって,ランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)がゴールド・スタンダードとなる.しかしRCTでは,さまざまな理由で高齢者が対象から除外されてしまうため,結果の一般化可能性が担保されない.実際,急性心不全患者に対する心臓リハビリテーションの効果を検討した最近の海外のRCTにおいても,要介護や認知症などの理由により多くの高齢者が除外されている1).実臨床においては,RCTからは除外される超高齢者や認知症患者などもリハビリテーションの対象となり得る.したがって,実臨床を反映したリアルワールドデータを用いた臨床疫学研究により,リハビリテーションの現場での効果(effectiveness)を検証する必要がある.
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