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第1土曜特集 乳癌のすべて2024
知っておきたい関連知識
乳癌医療に携わる医療者のための医療経済
Health economics for healthcare professionals engaged in the treatment of breast cancer
岩谷 胤生
1
Tsuguo IWATANI
1
1岡山大学病院乳腺・内分泌外科
キーワード:
医療費
,
医療経済評価
,
乳癌医療
Keyword:
医療費
,
医療経済評価
,
乳癌医療
pp.454-458
発行日 2024年8月3日
Published Date 2024/8/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290050454
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近年,乳癌医療にかかる医療費は増加している.その要因は新規乳癌罹患者数の増加と,革新的ではあるが高額な新規医薬品の登場であると考えられる.現状では新規乳癌罹患者数を減少に転じさせる根本的な方法は明らかではない.また,イノベーションによる新規乳癌治療薬の開発は患者にとって恩恵であり,これを阻害すべきではない.現状では乳癌医療にかかる医療費を大幅に減少させる方策はないものの,医療者は医療費の適正化の観点から医療経済評価の基礎知識を身に付けておく必要がある.方法論の要は,新規治療が標準治療に対して追加で支払うこととなったコストと,新規治療によって得られる効果を勘案した増分費用効果比(ICER)を理解すること,臨床的効果の指標のひとつとして質調整生存年(QALYs)を理解することである.本稿ではこれらの理解も含めて,乳癌医療に携わるすべての医療者が知っておくべき医療経済の基礎について論じる.
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