連載 認知症者・家族をさまざまな観点や立場から支えるコミュニケーションスキル・第4回
ユマニチュード—自律と自立を支えるための優しさを伝えるマルチモーダル・コミュニケーションケア技法
本田 美和子
1
Miwako Honda
1
1国立病院機構東京医療センター総合内科
キーワード:
マルチモーダル・コミュニケーション
,
相互注視
,
扁桃体
,
立位
Keyword:
マルチモーダル・コミュニケーション
,
相互注視
,
扁桃体
,
立位
pp.1361-1365
発行日 2023年12月10日
Published Date 2023/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203003
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世界全体が高齢社会に向かっていく現在,日本はそのトップランナーとして他国よりも先んじてこの時代を切り拓いていく機会に恵まれている.高齢者が直面する問題はさまざまだが,なかでも認知症は世界の高齢者にとって生活の困難や他者による援助を必要とする点において大きな社会的な課題となっている.
認知症は記憶や認知機能に影響を与える中核症状だけでなく,この中核症状の進行に伴って出現する興奮や不安,抑うつ,周囲の人々が理解しがたいさまざまな行動などの認知症の行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD)が出現することで,本人とその周囲の人々に困難な状況を生み出している.特にBPSDに対するマネジメントは認知症の人との良好な関係を築き,また同時に自己の負担を軽減したいと考える介護者にとっての喫緊の課題である.
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