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研究と報告
急性期脳卒中片麻痺者の上肢運動障害に対する知覚探索アプローチの効果—準ランダム化比較試験
Effects of perceptive exploration approach on upper extremity movement disorders in acute stroke hemiparesis patients: a quasi-randomized controlled trial
佐藤 将人
1
,
三上 幸夫
2
Masato Sato
1
,
Yukio Mikami
2
1橋本市民病院リハビリテーション科
2広島大学リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, Hashimoto Municipal Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Hiroshima University
キーワード:
片麻痺
,
上肢機能
,
急性期脳卒中
Keyword:
片麻痺
,
上肢機能
,
急性期脳卒中
pp.1345-1352
発行日 2023年12月10日
Published Date 2023/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203001
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要旨 [背景]脳卒中後の上肢運動障害に対する急性期作業療法は,アプローチの違いによってその効果の報告にばらつきがあり,十分な根拠について蓄積段階である.本研究では,課題遂行に不可欠な知覚情報の抽出によって,運動スキルを発達させる知覚探索アプローチの脳卒中後の上肢機能改善における有用性を明らかにすることが目的である.[方法]研究デザインは準ランダム化比較試験を採用した.対照群の181名は標準的な作業療法プログラムを受け,実験群の169名は知覚探索アプローチをそれぞれ1日40分,週5日実施された.効果判定には,Brunnstrom Stage(BRS),Motricity Index(MI),modified Rankin Scale(mRS),Functional Independence Measure(FIM)から検討した.[結果]BRSの上肢および手指は実験群で有意に改善し(p<0.001,r=0.47,p<0.001,r=0.44),MIでも実験群で大幅に改善した(p<0.001,r=0.68).さらに,mRSとFIMにおいても実験群で有意な改善が示された(p<0.001,r=0.35,p<0.001,r=0.17).[結語]知覚探索アプローチは急性期脳卒中患者の上肢機能に加え,生活機能の改善に有用であることが示唆された.
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