Japanese
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実践講座 精神科作業療法のエッセンス・3
神経症性障害
The essence of psychiatric occupational therapy: neurotic disorder
織田 靖史
1
Yasushi Orita
1
1県立広島大学保健福祉学部保健福祉学科作業療法学コース
1Prefectural University of Hiroshima, Faculty of Health and Welfare, Department of Health and Welfare, Occupational Therapy Course
キーワード:
作業療法導入面接
,
病期別介入方法
,
手段としての作業の利用
,
作業基盤型実践
,
OBP
,
作業焦点型実践
,
OFP
Keyword:
作業療法導入面接
,
病期別介入方法
,
手段としての作業の利用
,
作業基盤型実践
,
OBP
,
作業焦点型実践
,
OFP
pp.759-765
発行日 2023年7月10日
Published Date 2023/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202877
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神経症という病名は,2013年に発表されたアメリカ精神医学会の精神障害/疾患の診断・統計マニュアル第5版(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders:DSM-5)1)から完全に除外された.しかし,本稿で取り上げる全般不安症や強迫症,適応障害,変換症のあるクライエントを理解するうえで,Freudの神経症概念や病因論,病態水準論は参考となると筆者は考える.
神経症の特徴である思考優位なクライエントは,何らかの(無意識的)葛藤により生じる症状の影響で,行動ができなくなり生活上の困難に直面する.一方で症状は,クライエントに無意識的な疾病利得をもたらしている可能性も高い.また,クライエントは,現実検討が保たれ言語交流は可能なので,(自分では理解もコントロールもできない疾病利得に絡んだ)症状により日常生活動作(activities of daily living:ADL)や手段的日常生活動作(instrumental activities of daily living:IADL),参加に制限が出ている状態を周囲に理解されないことも多く,傷つき,生きづらさを抱えることとなる.
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