Japanese
English
症例報告
ボツリヌス治療により歩行能力と行動範囲改善が得られた脊髄上衣腫摘出術後症例
A postoperative case of spinal ependymoma with increased walking ability and area of activity after botulinum therapy
栗田 慎也
1,2,3
,
久米 亮一
4
,
尾花 正義
1,2
Shinya Kurita
1,2,3
,
Ryoichi Kume
4
,
Masayoshi Obana
1,2
1公益財団法人東京都保健医療公社荏原病院リハビリテーション科
2地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立荏原病院リハビリテーション科
3地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立大久保病院リハビリテーション科
4株式会社COLABO
1Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo Metropolitan Health and Hospitals Corporation Ebara Hospital
3Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo Metropolitan Hospital Organization Tokyo Metropolitan Ohkubo Hospital
4COLABO Co., Ltd.
キーワード:
地域連携
,
ボツリヌス治療
,
痙縮
,
脊髄上衣腫
,
下肢装具
Keyword:
地域連携
,
ボツリヌス治療
,
痙縮
,
脊髄上衣腫
,
下肢装具
pp.201-205
発行日 2023年2月10日
Published Date 2023/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202753
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要旨 [目的]荏原病院(以下,A病院)が行っている痙縮に関する研修会で紹介された脊髄上衣腫摘出術後の下肢痙縮症例に,ボツリヌス治療とリハビリテーションを行うことで身体機能や行動範囲の改善を認めたので報告する.[症例]30歳台の男性.第6,7頸椎と第1,2胸椎の脊髄上衣腫摘出術の数か月後に左下肢痙縮が増悪し,歩行能力の低下を来した.研修会にて他院の理学療法士(B病院理学療法士)から症例の相談を受け,A病院にてボツリヌス治療とリハビリテーションを実施した.[臨床経過]B病院理学療法士と連携して,複数回のボツリヌス治療と下肢装具の作製を行った.その結果,関節可動域拡大や歩行速度改善などを認め,5回目のボツリヌス治療後に近所への買い物や散歩が可能となった.[結語]脊髄上衣腫摘出術後の下肢痙縮へのボツリヌス治療とリハビリテーション,下肢装具療法の併用は歩行能力や行動範囲の改善につながることが示唆された.
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