Japanese
English
特集 言語障害のリハビリテーション
失語症の評価と回復期リハビリテーション
Aphasia evaluation and convalescent rehabilitation
沖田 啓子
1,2
,
山内 温子
2
,
三橋 優香
2
,
重川 由香
2
Keiko Okita
1,2
,
Atsuko Yamauchi
2
,
Yuka Mitsuhashi
2
,
Yuka Shigekawa
2
1広島国際大学総合リハビリテーション学部リハビリテーション学科
2西広島リハビリテーション病院リハビリテーション部
1Department of Rehabilitation, Faculty of Rehabilitation, Hiroshima International University
2Department of Rehabilitation Nishi-Hiroshima Rehabilitation Hospital
キーワード:
失語症評価
,
言語聴覚療法
,
目標指向型アプローチ
,
言語環境調整
Keyword:
失語症評価
,
言語聴覚療法
,
目標指向型アプローチ
,
言語環境調整
pp.1293-1299
発行日 2022年11月10日
Published Date 2022/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202660
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はじめに
急性期を過ぎ,全身状態がある程度安定する回復期でのリハビリテーションは機能改善が大きくみられる時期であると同時に,退院後の生活を見据えたかかわりを求められる時期でもある.
言語障害は目に見えない障害であるうえに,「聞く」,「話す」,「読む」,「書く」の4つの言語様式すべてが障害されるため,失語症状の理解は難しい.聴覚障害では「聞く」様式は難しいが,他の様式は保たれているため代替手段の利用が検討できる.だが,失語症はそうはいかない.他の様式と比較して「良好」な様式はあっても,「保たれている」様式はほぼないからである.加えて,一般社会において失語症という名前やその知識は知られておらず,入院して初めて知ったという患者・家族は多い.失語症者が役所に相談に行った際,聴覚障害者と間違われ文字を書くように言われ困ったということはよく聞く話である.このように,健常者がこの障害を推測することは難しいため,失語症による影響を活動や参加,言語環境の見地から推測することは容易ではない.
そこで,失語症と失語症によるコミュニケーションの特徴を踏まえ,回復期リハビリテーション病棟での取り組みについて,データや症例を交えながら,機能面へのアプローチと,退院後を想定した活動・参加,言語環境へのアプローチについて紹介する.
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