Japanese
English
症例報告
自律神経障害を伴う自己免疫性GFAPアストロサイトパチーのリハビリテーション治療経験
Rehabilitation therapy of an autoimmune glial fibrillary acidic protein(GFAP)astrocytopathy patient with autonomic dysfunction: a case report
大西 由紀
1
,
西野 誠一
1
Yuki Onishi
1
,
Seiichi Nishino
1
1医療法人社団東光会戸田中央リハビリテーション病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Todachuo Rehabilitation Hospital
キーワード:
自己免疫性GFAPアストロサイトパチー
,
自律神経障害
,
起立性低血圧
,
排尿障害
,
排尿自立支援
Keyword:
自己免疫性GFAPアストロサイトパチー
,
自律神経障害
,
起立性低血圧
,
排尿障害
,
排尿自立支援
pp.1239-1243
発行日 2022年10月10日
Published Date 2022/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202644
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要旨 中枢神経系アストロサイト内蛋白質glial fibrillary acidic protein(GFAP)に対し,髄液中抗GFAPα抗体陽性の新たな中枢神経系炎症疾患“自己免疫性GFAPアストロサイトパチー”が提唱された.当疾患と確定診断された17歳男子症例のリハビリテーション治療経験を報告する.頭痛・発熱で発症し,四肢筋力低下・尿閉・呼吸筋麻痺が進行し免疫治療を受けたが,自律神経障害症状が残存し,当院回復期リハビリテーション病棟に転院後に診断確定した.診察上両下肢筋力低下・起立性低血圧・排尿障害を呈し,排尿自立支援チームを含めた多職種協働のリハビリテーション治療と薬物治療を施行後,日常生活が自立し社会復帰に至った.本症例は起立性低血圧を呈し,当疾患の症状に不活動の要素が加わったと考える.併用したプレドニゾロンが経過に影響した可能性があるが,適切な運動負荷から開始・漸増して良好な経過を得た.本邦初の当疾患治療経験の報告が今後の治療法確立に寄与すると考える.
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