増刊号 フローチャートと検査一覧で ひと目でわかる耳鼻咽喉科診療
1.耳科編
起立性めまい(立ちくらみ)—自律神経障害(起立性低血圧),循環器疾患,脳神経疾患
山中 敏彰
1
1奈良県立医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科/めまいセンター
キーワード:
起立性めまい
,
立ちくらみ
,
起立性低血圧
,
自律神経障害
,
起立試験
Keyword:
起立性めまい
,
立ちくらみ
,
起立性低血圧
,
自律神経障害
,
起立試験
pp.80-86
発行日 2020年4月30日
Published Date 2020/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202366
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ここを押さえておこう
●起立性めまい,立ちくらみの原因疾患には,重篤性のある循環器疾患(不整脈,弁膜疾患など)や脳神経疾患(てんかん,椎骨脳底動脈循環不全,多系統萎縮症など)のほか,純粋自律神経不全に加え,耳鼻咽喉科医がよく遭遇する起立不耐症症候群〔起立性低血圧(OH)や体位性頻脈症候群(POTS)〕や内耳疾患などがある.
●起立性めまい症例に欠かせない検査に起立試験があり,OHやPOTSの評価に用いられる.収縮期圧が20mmHg以上,拡張期圧が10mmHg以上の低下幅を示すとOHと診断され,心拍数が30拍/分以上の持続的増加があればPOTSと判定される.
●OHによるめまいに対する治療には,生活指導(誘因の回避)や理学的療法などの非薬物療法と,薬物療法がある.まず非薬物療法を行い,効果が乏しい場合には薬物治療を追加する.血管収縮作用を有するミドドリン塩酸塩が第一選択薬として用いられる.
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