Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
シュティフターの『みかげ石』—ペスト終息後の心理と行動
高橋 正雄
1
1筑波大学
pp.1028
発行日 2022年8月10日
Published Date 2022/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202596
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1853年に発表されたシュティフター(1805〜1868)の『石さまざま』の中の『みかげ石』(藤村宏訳,岩波書店)には,かつてのボヘミアの地におけるペスト流行の様が描かれている.
主人公の少年の祖父のそのまた祖父が生きていた時代のことである.春が来て木々が芽吹きだした頃,「ひどい病気がこのあたり一帯を襲った」.「どうして来たのか判らない」が,前から遠方で流行っていた疫病が「人の命を信じられないほど沢山奪った」のである.
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