Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
渋沢栄一の『青淵回顧録』—高齢社会の予言的体現者
高橋 正雄
1
1筑波大学
pp.532
発行日 2022年5月10日
Published Date 2022/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202508
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渋沢栄一の自伝『青淵回顧録』(角川書店)の最終章「米寿を迎えた喜び」では,昭和3年2月13日の満88歳の誕生日を目前にした渋沢が,自らの長寿の秘訣を語っている.
そもそも渋沢は,「近親の間では私ほどの長命を保った者は未だない」し,「時勢が険悪であったため,行く途も自然危険たるを免れなかった」.したがって,「私が今88歳まで生存したことはほとんど奇蹟に近い感がある」と,自分にも予想外の長寿であることを認めている.
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