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特集 脳卒中のリハビリテーション治療—新ガイドラインに基づく臨床実践
摂食嚥下障害・言語障害に対するリハビリテーション治療の進歩と実践
Progress and practice of rehabilitation therapy for dysphagia and speech-language disorder
山路 千明
1
Chiaki Yamaji
1
1藤田医科大学七栗記念病院リハビリテーション部
1Department of Rehabilitation, Fujita Health University Nanakuri Memorial Hospital
キーワード:
摂食嚥下障害
,
失語症
,
構音障害
,
言語聴覚療法
Keyword:
摂食嚥下障害
,
失語症
,
構音障害
,
言語聴覚療法
pp.259-263
発行日 2022年3月10日
Published Date 2022/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202449
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摂食嚥下障害の評価
摂食嚥下障害のスクリーニングとして,反復唾液嚥下テスト(repetitive saliva swallowing test:RSST)1),質問紙法2),水飲みテスト3)が有用である.スクリーニングや臨床所見から誤嚥が疑われる場合は,嚥下造影検査(videofluoroscopic examination of swallowing:VF)や嚥下内視鏡検査(videoendoscopic examination of swallowing:VE)が実施される.これらの検査は,誤嚥の有無の検出だけではなく,安全な食事形態の検討,有用な嚥下手技の検討,問題点の抽出と必要な練習内容を決定することが重要な目的である.VFやVEなどの侵襲的な検査を実施する場合は,あらかじめ検討したい事項をリハビリテーションチームで共有したうえで実施することが望ましい.
嚥下障害は食物に対してだけでなく,内服薬においても生じる.特に脳卒中患者では降圧薬や抗血小板薬など薬剤を服用していることが多く,錠剤が服用できるか否かの情報も重要である.VEや造影剤加模擬薬を使用してVFで評価するほか,簡便な質問紙で薬剤の嚥下障害の妥当性・信頼性の高いアセスメントツールとしてPILL-54)がある.
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