特集 日常診療に求められるリハビリテーション
知っておきたいリハビリテーションの流れ
言語聴覚療法
伊澤 幸洋
1
,
小嶋 知幸
2
1博愛病院リハビリテーション科
2江戸川病院リハビリテーション科
キーワード:
言語聴覚療法
,
失語症
,
構音障害
,
高次脳機能障害
,
リハビリテーション
Keyword:
言語聴覚療法
,
失語症
,
構音障害
,
高次脳機能障害
,
リハビリテーション
pp.991-993
発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100211
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言語聴覚療法の流れ
言語聴覚療法(言語療法)の対象となる言語機能障害は,失語症(J1)や各種の構音障害(J2),難聴に伴う聴覚・言語機能障害,知的発達障害による言語発達遅滞という大きく4領域に分類される.何らかの言語障害を認めた場合,主治医もしくはリハビリテーション指示医が上記の大まかな診断をして,言語療法を指示する(図1).言語聴覚士はその診断を踏まえながら,改めて言語機能および高次脳機能全般の評価を行い(J3),言語療法を開始する.以下,本稿では,脳血管障害による失語症を中心に説明する.
急性期は,いわば混乱状態にあり,通過症候群を呈していることが予想される.まずは,経過観察を丁寧に行いながら,音声刺激および文字刺激に対する反応定位が少なからず得られる時期を待つ必要がある.挨拶語や本人の名前など聴覚刺激を呈示しながら斉唱または復唱的発話誘導を試みることや,本人や家族の名前,住所などを文字呈示しながら読んで聞かせ,斉読もしくは音読にて,音声表出を促すことから始める.
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