Japanese
English
特集 脳卒中のリハビリテーション
Ⅳ.高次脳機能障害の諸問題
言語障害
Speech Disorders.
福井 圀彦
1
Kunihiko Fukui
1
1神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢病院
1Department of Rehabilitation, Kanagawa Rehabilitation Center, Nanasawa Hospital.
キーワード:
失語症
,
発語失行
,
構音障害
Keyword:
失語症
,
発語失行
,
構音障害
pp.153-162
発行日 1982年1月10日
Published Date 1982/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104686
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はじめに
脳卒中によりもたらされる言語障害は,大別して,失語症,発語失行,構音障害の3つに分かれる.
脳の損傷により起こる“ことば”(language)(話しことば,文字・数字ことばなど)の喪失あるいは障害を失語症と定義しているが,ことばというシンボルを介して表出(encode),受容(decode)する能力の障害を失語症と定義することもできる.
これに対して,話しことば(speech)の表出における失行が発語失行,運動障害が構音障害と定義することができる.
したがって,意識障害,無知,難聴,恐怖など,他の理由でことばが出なくても,直ちに言語障害ということにはならない.
しかし,実際の臨床面では,痴呆,精神障害,失行,失認など多くの高次機能障害が混然となっていることも少なくなく,診断,評価に困難を感じることも珍らしくない.
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