Japanese
English
実践講座 パーキンソン病治療の新しい展開・5
言語聴覚療法
Speech and swallowing therapy for Parkinson's disease
倉智 雅子
1
Masako Fujiu-Kurachi
1
1国際医療福祉大学成田保健医療学部言語聴覚学科
1Department of Speech and Hearing Sciences, International University of Health and Welfare
キーワード:
パーキンソン病
,
発話障害
,
摂食嚥下障害
,
発話訓練
,
言語聴覚療法
Keyword:
パーキンソン病
,
発話障害
,
摂食嚥下障害
,
発話訓練
,
言語聴覚療法
pp.191-196
発行日 2025年2月10日
Published Date 2025/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698220530020191
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はじめに
言語聴覚領域では,発声発語器官の運動麻痺や失調などの筋制御不全による話しことば(speech)の異常はdysarthriaと呼ばれ1),ディサースリア,運動障害性構音障害,発語運動障害などと訳されている.ディサースリアは,呼吸,発声,構音,共鳴のほか,抑揚やアクセントといった韻律/プロソディーまでを含む発話の障害で,いくつかのタイプに分けられている1).
パーキンソン病(Parkinson's disease:PD)に伴う発話障害は運動低下性のタイプに分類され,筋強剛によって呼吸や発声に関与する筋の運動範囲が低減することで生じる声量低下と抑揚に乏しい単調な話し方が大きな特徴である.声のかすれや発話速度の加速(症例によっては低下)も出現しやすく,病期の進行とともに発話の明瞭度は低下する.発話器官は摂食嚥下器官でもあるため,摂食嚥下障害も合併しやすい.
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