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特集 リハビリテーションにおける臨床倫理と合理的配慮
障害者雇用や復職における合理的配慮と個人情報保護
Reasonable accommodation and protection of personal information in employment and return to work for people with disabilities
辻 洋志
1
,
小島 健一
2
Hiroshi Tsuji
1
,
Kenichi Kojima
2
1南森町CH労働衛生コンサルタント事務所
2鳥飼総合法律事務所
1Minamimorimachi CH Occupational Health Consultants
2Torikai Law Office
キーワード:
障害者雇用促進法
,
障害を持つアメリカ人法
,
合理的配慮
,
個人情報
,
医学的職務適性評価
Keyword:
障害者雇用促進法
,
障害を持つアメリカ人法
,
合理的配慮
,
個人情報
,
医学的職務適性評価
pp.41-48
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202403
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雇用の分野での合理的配慮にかかわる主な関連法令の歴史と背景
合理的配慮とは,障害のある人とない人が平等に人権を享受し行使できるよう,一人ひとりの障害に応じて発生する社会的障壁を取り除くための,個別の調整や変更のことである.1990年に米国で制定された障害を持つアメリカ人法(Americans with Disabilities Act:ADA)をきっかけに広まったreasonable accommodationをルーツとしている.
ADAは,その後に制定された世界各国の障害差別禁止法のモデルとなるとともに,2006年に国際連合(国連)総会で採択された障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)のモデルにもなっている1).同条約は障害者に関する初めての国際条約であり,障害者の人権および基本的自由の享有を確保し,障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的として,障害者の権利の実現のための措置などについて規定している.国連で採択された主要人権条約で初めて合理的配慮の言葉が登場し,第2条で合理的配慮を定義するとともに,障害者差別禁止,苦情処理・紛争解決援助などについても立法的措置を含む適切な措置を義務付けた.
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