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特集 リハビリテーションにおける臨床倫理と合理的配慮
障害のある学生の学校生活のための合理的配慮と個人情報保護
Reasonable accommodation and protection of personal information for students with disabilities in school life
田中 芳則
1
Yoshinori Tanaka
1
1社会福祉法人名古屋市総合リハビリテーション事業団 なごや福祉用具プラザ
1Nagoya Assistive Technology Plaza, Nagoya City Rehabilitation Agency
キーワード:
障害学生
,
合理的配慮
,
情報保障
,
支援者育成
,
個人情報保護
Keyword:
障害学生
,
合理的配慮
,
情報保障
,
支援者育成
,
個人情報保護
pp.33-39
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202402
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はじめに
大学,短期大学,高等専門学校(以下,大学等)における障害のある学生(以下,障害学生)の在籍数は年度ごとに増減しており,独立行政法人日本学生支援機構の調査によると2020年度では,合計935校で35,341名となっている1).これら障害学生が入学後,学校生活を送っていく際にさまざまな困難に直面する場合がある.
障害学生の困難を解決するための支援(以下,障害学生支援)は,教職員の自助努力だけで行われていた時期もあったが,2016年4月から施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下,障害者差別解消法)」による法整備で組織として取り組む大学等が増加した.実際の支援では主に授業の情報保障が行われるようになり,障害学生と支援者側が相談,連携,交渉により合理的配慮を決め,個人情報を入手して学期ごとに必要な支援を行っている.また障害学生支援では,連携先でも障害学生の個人情報が扱われることとなり,その管理や保護に十分な注意を払う必要がある.
本稿では,学校生活自体が初めての障害学生を支援するための合理的配慮のあり方,コミュニケーションの取り方,依るべき指針や参考となるガイド,そして個人情報について概説する.
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