Japanese
English
特集 呼吸リハビリテーションの新しい展開
慢性閉塞性肺疾患
Chronic obstructive pulmonary disease(COPD)
田中 貴子
1
Takako Tanaka
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科保健学専攻理学療法学分野
1Department of Physical Therapy Science, Nagasaki University Graduate School of Biomedical Sciences
キーワード:
運動療法
,
セルフマネジメント教育
,
身体活動
,
行動変容
,
包括的ケア
Keyword:
運動療法
,
セルフマネジメント教育
,
身体活動
,
行動変容
,
包括的ケア
pp.1039-1044
発行日 2021年11月10日
Published Date 2021/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202353
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はじめに
昨今,慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)の罹患者数は世界的に増加しており,超高齢社会である本邦においては男性の死亡原因の第8位に位置し,医療・社会経済に重大な影響を及ぼし問題となっている.2001年に実施された大規模なCOPD疫学調査の結果によると,COPD患者は530万人以上と推定され,70歳以上においては6人に1人の割合で罹患者が存在するといわれている1).COPDは中枢性疾患や運動器疾患と異なり症状が表面化しにくいため,現状として未診断で適切な治療を受けることができていない患者が少なくない.そのため,診断時には重症化しており,そこに超高齢社会が拍車をかけ,障害を複雑化させるため,介護負担を増大させている疾患の1つであることも指摘されている.しかし,COPDは予防可能な疾患であり,薬物療法とともに非薬物療法であるリハビリテーションが奏功する.
本稿では,COPD患者の対する呼吸リハビリテーションの基本に加え,2018年に改訂された呼吸リハビリテーションの概念,定義に基づいて,最近の考え方について解説する.
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